一般的にT-90Mのような第三世代主力戦車の装甲は、M2ブラッドレーが装備しているような25mm機関砲の射撃では撃ち抜けないと言われており、それが現代戦争の常識です。しかしながら、この公開されている映像の内容が正しいのであれば、25mm機関砲の連続射撃によりT-90Mは砲塔付近から爆発を起こしており、そこには何らかの脆弱性のようなものが存在するのかもしれません。T-90M戦車は、ロケット弾や対戦車ミサイルなどの成形炸薬弾に対抗するために爆発反応装甲を備えており、それが25mm機関砲弾の過剰な着弾により内側に向かって暴発し、車体装甲に悪影響を与えたと考えることもできます。現に、砲塔付近で爆発を起こすまで、車体前部の機関砲弾着弾点付近で何かが燃焼しているのが確認できます。
一つ確実に言えることは、主力戦車といえど万能ではなく、敵の攻撃に対して迅速に対応しなければ、例え相手が格下のユニットであっても撃破され得るということです。
─ 普通の戦争では、戦車に限らず、あらゆるユニットは単独で行動するべきではなく、必ずフォローしてくれる味方とカバーしあって行動するべきという鉄則がある。そういう状況を守っていれば、もしこの映像の様にT-90Mが集中打を浴びて乗員が混乱しても、他にいる仲間がカバーに入って敵射撃点に対して攻撃を加えることができただろう。
- 元記事
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ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を受け、炎上・爆発するロシア軍T-90M戦車...映像を公開
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2024/01/t-90m-3.php