自分が触ったこともない物品を提示されて「これがお前が殺人を犯したことを示す証拠物だ」と言われる。そして「これを捏造だと言うのであれば、明確な証拠を示せ」と要求される。
これが、袴田巌氏がその人生の大半を費やすことになった、自分の命が掛けられた難問だった。自分が与り知らない物事に対してその否定的根拠を示せという要求は、消極的事実の証明と同じことだろう。だからこそ、事件の証拠物に対しては、それが本人の物であるかという認定が必要になるのだが。残念ながらこの事件の捜査過程においては、その大半が密室における脅迫などに基づいたものであり、裁判において証拠能力を認めることはできない物となっている。第三者の視点から見ると、これは捏造だと指摘されても仕方のない状態だ。
- 元記事
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捏造認定に疑問の声 検察幹部「明確な根拠を」―袴田さん無罪
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024092601252
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