ベネズエラから石油を輸出するのには、パナマ運河を使用します。現在、パナマ運河は中国の一帯一路(シーレーン)に組み込まれつつあり、運河両端の海港が中国企業によって所有されている状態です。一昨年辺りにトランプ大統領がパナマ運河の所有について発言していましたが、表面的にはいつものトランプ節かと思われているものでも、対中国で考えたときには非常に戦略的な動きに見えてくるわけです。結局、パナマ運河の買い上げについての話はその後出てこなくなりましたが、代わりにカリブ海周辺でのアメリカの動きがより活発になっています。そのうちの一つが、今回のベネズエラというわけです。今回、トランプ大統領は麻薬密輸の取り締まりを理由に挙げていますが、たかだか麻薬取り締まりだけでここまで軍を動かすリスクを普通は認めないでしょう。現職の大統領を半ば拉致したという異常事態から見るに、相応の戦略的理由がアメリカにはあるはずなのです。 日本は、このアメリカの動きに関してより慎重になるべきですね。例えば先日、日本の高市首相はトランプ大統領と電話会談をしたらしいです。マスコミ向けの発表では、アメリカの中国訪問前に、高市首相が訪米することが決まったらしいです。アメリカと中国。ベネズエラを間に挟んだ図式とちょうど同じですね。その会談で、高市首相はトランプ大統領から何かしらの説明を受けていたのかもしれません。台湾を取り囲んでの年末の軍事大演習を決行した中国に対して、日本が打てる手は非常に限られています。結局、対中国ではアメリカに頼らざるを得ないのです。国際法などという綺麗事を並べ立てるあまり、日本の国益を損なうような選択をしないでほしいものですね。 習近平は、トランプ大統領ではなく、アメリカという国家そのものに対して非常に危険な挑発を繰り返していたということです。 そのうちの一つが、パナマ運河の実効支配。これは、中国(香港企業)が支配していた海港は既にアメリカに売却されており、残るパナマ運河自体の運営権については現在パナマ政府が握っています(ただし中国は激しく抵抗しており、実質的な売却完了には至っていないです)。 二つ目が、ベネズエラに対する支援。アメリカによる制裁を受けるベネズエラに対して、中国は多額の支援を行い、その対価として同国で採掘される石油の多くを受け取っています。 そして三つ目が、太平洋西部で繰り返される米軍への挑発行為。日本ではあまり多くは報道されませんが、中国は現在、第一列島線を完全に突破している状態で、いわゆるフィリピン海において非常に高度な海軍活動を実施しています。これは米軍にとって非常に重要なグアム基地の目と鼻の先での活動であり、西太平洋において米軍は喉元にナイフを突き付けられているのと同じ状態になっているわけです。
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トランプ政権によるベネズエラ軍事攻撃に世界各国から懸念の声 「国際法違反」の恐れ アメリカ国内からも批判
※元記事は掲載終了しています。https://www.fnn.jp/articles/-/982473