日本製鉄は本来、買収を依頼された側であり、決して仕掛けた側ではなかったはず。それがアメリカの一部保守層の工作によって、完全に日本製鉄が悪者に仕立て上げられてしまった。 日米関係は、1990年代中頃までは貿易摩擦などの影響により決して良いものではなかったが、USスチールはアメリカの鉄鋼業が偉大であった時代から生き抜いてきて、その日米関係が悪い時代も見てきている。その様な関係で、どうしても外国の、とりわけ日本の企業に自国の誇りであるUSスチールが買収されるのが気にくわないのだろう。だが、冒頭で書いたとおり、日本製鉄によるUSスチール買収は本来USスチール側から持ちかけてきたものであり、日本製鉄の意思によるものではない。この様な不本意な状態であり、尚且つそれにより悪役に仕立て上げられるなど、決して座視できるようなことではない。日本製鉄はこの機会にUSスチール買収から劇的に手を引くべきであり、むしろそれを利用してこの出来事を日米両国民の目に焼き付けることに利用するべきだ。 自分の予想が正しければ、USスチールはこの交渉が破綻した後も、他の企業に買収交渉を持ちかけるはずであり、恐らく中国系の資本がその買収に動くと思われる。その時にトランプがどのような態度でそれを迎えるか。逆に日本は、それを踏み絵に利用してやればいいのだ。過去にも、アメリカは日米関係を反故にして中国と接近していた時代がある。一番最近では、オバマ大統領の時代だ。アメリカのような人種差別国家が、日本人のアメリカに対する感情をどのように利用しているか、それをつまびらかにする良い機会だ。日本製鉄の買収撤退を利用してその劇の舞台を仕立て上げて、あとはUSスチールにその舞台の上で踊らせてやればいい。日米関係が虚飾か否か、それではっきりと分かることだろう。
- 元記事
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トランプ氏、日本製鉄のUSスチール買収「完全に反対」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0339V0T01C24A2000000/

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