2026/04/11

【Mastodon再掲】変態な彼女のちょっと怖いお話

なんかね、おいらのパンツがね、古くならないのよ。一向に。前は古くなって擦り切れたパンツは捨てていたんだけど。ふと気付いて考えたら、ここ数年はパンツを捨ててないなって。最近のパンツは頑丈になって擦り切れなくなったのかなと思っていたんだけど、絶対そんなことはない。だって今穿いてるパンツ、どう考えても新品に近いもの。これはおかしいと思って色々調べてみたら、どうやら数年前から部屋に出入りするようになった彼女が怪しいという結論に至った。念のため、部屋の中にトレイルカムを設置して出掛けてみたら、おいらがいない間に彼女が合い鍵を使って部屋に入ってきているのが映っていた。そしてここからが、肝心のシーン。彼女は部屋に入ってくる時に荷物を抱えていた。おいらがいない時に食材とか補充してくれているのは気付いていたので、それと、なんとおいらが愛用しているパンツと全く同じ物、しかも未開封の新品を持ってきていたのだ。 彼女は食材を冷蔵庫とか棚に収納すると、部屋の中央に放置されていた新品のパンツのところに向かった。そしてその前に座ると、なぜかその手にはおいらの使い古しのパンツがある。どうやら、おいらの部屋の引き出しから持ってきたらしいと思ったら、袋の中からziplocを取り出しパッキングし始めたのだ。そういえば、出掛ける時服を着替えたから古いパンツが洗濯機の中に入っていたはず。あのパンツはそれだ。そして、大事そうにそれを袋の中に戻すと、一緒に入っていた新品のパンツを取り出す。それを洗濯物用の吊るしハンガーに吊るし始めたのだ。そして他の服も洗濯してきたのか、一緒に吊り下げていく。あたかも自分が洗濯しましたと言わんばかりに、洗濯物の中に新品のパンツを混ぜ込みやがった。…そう、犯人は彼女だったのだ。彼女がおいらの古いパンツを回収し、そして新品のパンツに替えていた。…だったらなんの問題もないじゃないか。おいらの気付かないところで、甲斐甲斐しく世話を焼いてくれていた出来た彼女じゃないか。惚れ直したぜ!…と思ったが、引っ掛かったことがある。ziplocだ。おかしいだろ。使い古しのパンツをziplocに入れるなんて。持って帰るにしても普通のゴミ袋でいいはずだ。なんならうちに捨てていけばいい。なんで持って帰る? しかも新品のziplocだぞ。一枚数十円はする。高くはないけど安くはない。…おかしいと思ったおいらは、彼女の家に行くタイミングを見計らって、こっそり彼女の押し入れの中を覗いてみた。…そこにはおいらが穿いているのと同じパンツが、いや、絶対おいらのパンツだ。おいらが穿いていて彼女がziplocに入れて持ち帰ったパンツ達が、所狭しと収納されていたのだ。しかもそのほとんどがziplocに収められている。袋にはマジックでなにやら年月日が書かれているし、下の箱には無造作に突っ込まれたパンツもある。全ておいらのパンツだ。そしてタイミング悪く彼女が部屋に戻ってきた。後ろでドアが開く音がして、同時に何かが落ちて割れる音。彼女が持ってきてくれたコップが落ちて割れたらしい。そこからは修羅場だった。泣きじゃくる彼女と、それを必死に慰めるおいら。いや、おかしいだろ。おいらの方が被害者のはずだが。 落ち着いてから彼女が話してくれた内容はこうだ。 おいらのパンツが好きだった。最初は出来心だった。興味本位でおいらの部屋で致していた。だけど、だんだんとそれにハマっていくうちに、悪魔の閃きが湧いてきたらしい。おいらのパンツを新品のパンツと入れ替えて持ち帰ればもっと自由に色々なことが出来ると。ナニが出来るのか? そんなこと訊けるか。訊いたら修羅場は延長コース確定だ。それとごろか、場所が悪い。訊いていた場所は彼女のホームグラウンド。まずはおいらが安全に帰宅することを優先したのだ。そう、彼女はヤバい。それはおいらのパンツが入っていた押し入れの中に答えがあった。簡単に書くと、パンツだけではなかったのだ。色々入っていた。そこは彼女の趣味のパラダイスだったのだ。そう、彼女の趣味がハッキリと分かる内容のものが色々と納められていた。だから危機感を察知したおいらは、敢えてそこは見ない振りをして、パンツのことだけ問い詰めて、そして帰ってきた。 そして今は、遠く離れた別の地に住んでいる。彼女はいない。別れたのかというと、どうだろうか。ハッキリ言うと別に別れの言葉は何も言っていないし、単純にそこから彼女と会わなくなっただけだ。彼女はおいらの今の居場所を知らない。あの後すぐに引っ越しの準備を進めて、数日後には自宅を引き払った。多くの物は残してきたけど、処分業者にもお金は払ったし、まぁ良いように進めてくれたはずだ。つまり、おいらは全てをなかったことにしたのだ。この数年おいらは独り身だった。そういうことだ。さて、そろそろおいらも彼女が欲しくなってきたので、動き始めようかなと出掛ける準備を始める。靴を履いているところで、ふと、部屋のインターホンが鳴る。誰か来たようだ。宅配便かな。そういえば数日前に通販サイトを覗いていたと思うけど、結局その時はなにも買わなかったと思う。あまり記憶は定かではないが。とりあえずドアを開けて確認しよう。 ─おわり。 もともと、短編ストーリーとして肉付けしようと思っていたけど、途中で飽きてどうでもよくなったので、簡単なプロットだけ置いておく。

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