結局、ICCの力が及ぶのはICC加盟国の地理的範囲内で、且つその対象も、国家の枠組みで保護されない一般人レベルに限定されるというわけだ。ICCに武力が無い以上、国家権力には太刀打ちができないということ。これが現実。話が逸れるが、日本国憲法第九条が如何に滑稽であり、非常に無責任なものであるか、よく分かるね。
例え、子供を誘拐した国家であれ、その命令を下した個人であれ、国権の具現であれば国際機関ですら手を出せない。それは単純に、武力を持っていない以上、執行能力に欠如しているということの表れではあるが。それ以上に、現状の国際機関が国家に対して優越的な権限を持てていないことの証左でもある。国際機関に参加したり従うのは、あくまで加盟国の任意のもとに行われており、加盟国の善意によるところが大きい。むしろ国際機関に参加することは、その束縛下におかれるという意味で、加盟国にとってリスクの方が大きいと言えるのが現状なのかもしれない。本来はグローバリゼーションの枠組みによって、そのリスクより得られる恩恵の方が大きかったはずなのだが、アメリカにしろロシアにしろ、グローバリゼーションの枠組みを外れても自国のみで問題を解決できるような影響力を持つ国にとっては、その恩恵は意味を失う。さらに言うと、反国際機関の国々で結束をしてしまえば、グローバリゼーションの恩恵も享受できる環境ができてしまう。
時代は、国家に対して責任の履行を強制できる力を持つ、新しい"優越的な"執行組織を求めているのだろう。国家の暴走は、それが無ければ止められない。
- 元記事
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戦争犯罪で逮捕状のプーチン大統領、ICC加盟のモンゴル訪問へ…「ルール無視」で逮捕しない約束か
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240901-OYT1T50060/
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