マイナス金利の解除という言葉が先行しているけれど、個人的には「アベノミクスの実質的敗北」だと見ている。マイナス金利は金融緩和を目指したもの。つまり、市中への現金放出で強引にインフレを狙ったものだが、長期的なデフレは留まるところを知らず、昨今のインフレはスタグフレーションだという見方が強い。それは、増税や円安、そしてロシアによるウクライナ侵攻などによる世界的情勢の悪化を起因としたもので、日銀の金融政策による結果ではない。これ以上の金融緩和は意味が無い、どころか物価高騰による影響が大きいと判断して、日銀は事実上の敗北宣言をしたに過ぎない。異次元緩和でマイナス金利を導入したところで、市中金利がマイナスになることはなく、市井に現金が流れ込むことはなかった。
問題は、以降の日銀の動き方だが。仮に日銀が金利を引き上げた場合、一般的なお金の動きは、市中から日銀への向きに変わる。つまり、金融引き締め効果が生まれ、市中の現金は目減りすることになる。これによって生ずる影響は、賃金の上げ止まり、物価下落、景気低迷ということになるが、問題は昨今の物価高騰は外的要因によるものが大きく、日銀の金融政策によって、我々は恩恵を受けられそうもないという点。すなわちそれ以外の、賃金の上げ止まりと景気低迷のみが、現在のスタグフレーションの状態に上積みされることになる。日本の経済は、いよいよもって終末期へと突入することになる。
- 元記事
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日銀・植田総裁、中小企業の賃金上昇「きめ細かくみていきたい」…記者会見要旨<2>
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20240319-OYT1T50153/
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