今しのぎを削っているのは、燃料ロケットの再使用分野。これはロケット制御技術がメインで、既存のテクノロジーを応用して実現可能な分野ですよね。根本的に、1960年代の宇宙開発の延長線上に存在しているもので、あまり目新しさを感じないという印象を個人的には持っています。20世紀の宇宙開発時代から半世紀が経過して、その間に地上で技術革新があった精密機器を、如何にして安価で大気圏外、特に地球衛星軌道上に運ぶかというのが今のテーマです。もともと化石燃料を大量に使用していたロケット打ち上げも、今では燃料技術の進歩により液体酸素と液体水素を利用した液体燃料エンジンに切り替わっています。 ただ、この燃料ロケット自体がどこまで続くのかは未知数です。SFで描かれることの多い軌道エレベーターが実現すれば、それに取って代わられるでしょうし。そこまでいかなくても、マスドライバーのように電磁加速で初期速度を稼いで打ち上げる方式も研究されています。個人的に懸念しているのは、日本でこれらの研究を国策としてやっているような話を聞かないという点ですね。いつまでも燃料ロケットの時代が続くわけもなく、常に次世代の技術革新を追い求めていなければ、宇宙ビジネスとしては付け焼き刃の後追いという印象を捨てきれないと思います。
- 元記事
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「早い者勝ち」の宇宙ビジネス急拡大…先行する米中を追走へ、政府目標は国内市場を2倍に
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20250708-OYT1T50178/

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