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マスクは、ユーザーに検索機能を利用されるのが嫌な様子だ。特に無課金のユーザーには。 エックスの検索機能は、マスクに買収されてから幾つかの大きな変更があったが、その中でも大きいものは、「未ログインユーザーへの検索機能の提供拒否」や「検索結果に並び順に対する恣意的プログラムの介入」がある。その一方で、検索機能の細かな指定…例えば検索の対象をポスト内容のみにするのか、またはプロフィールやユーザー名も含むのかといった、いわゆる「高度な検索」については、Twitter時代から要望があるのに全く導入する気配がない。 マスクにとってエックスとは、自分が投資をしなくてもユーザーが情報商材を蓄積してくれるデータウェアハウスであり、同時に金を払うユーザーに対して最適な集客プラットフォームを提供するサービスなのだろう。そのため、ユーザーが自分勝手な検索で見るポストを絞ってしまうのは、マスクとしては嬉しくない。ハッシュタグはその最たるもので、特定のワードを使うことにより、ユーザーはそれ以外のポストを見る必要が無くなってしまう。無課金のユーザーがそれを行うのは最低だ。無課金のユーザーは課金ユーザーに提供するインプレッションとなってもらわなければ困るのに、自分で勝手に見るポストを限定されてしまっては、ただで高度なデータリソースを提供してやっているばかりか、検索機能というシステムリソースまで無駄に食われることになる。無課金ユーザーのハッシュタグとは、まさに使われれば使われるだけエックスが損をする機能になっている。 だが、そんなエックス側の事情とは関係なく、ユーザー側にとってハッシュタグは非常に便利な機能になっている。巨大で無秩序なエックスというスペースにおいて、ある特定の話題をしているポストのみを限定して抽出できるハッシュタグは、テレビにおけるチャンネルに近いイメージがある。また、これは自分がその話題を見たいという意思だけではなく、自分の過去ポストを探す際の目印になることすらある。これが無ければ、エックスのユーザーは過去のポストを探す際に、その検索条件の指定で非常に苦労することになるだろう。 マスクは、特にハッシュタグが大量に付けられることを嫌っているように見えるが、それすらもユーザー自身が自分のポストを分類するときには一定の役に立つかもしれない。だがそれには、エックスの検索システムがハッシュタグ同士の論理結合条件について、しっかりとした実装を行うことが必要になる。前述の通り、マスクはこれをとても嫌っているように見えるが、ユーザーとしては自分の望むポストを抽出できるような「高度な検索」機能は、課金しても欲しいものとなるだろう。特にその高度な検索機能が自分用にカスタマイズされたタイムラインの作成に繋がるのであれば、なおさら。 マスクは目先の利益ばかりを追求することにより、無課金ユーザーが自発的に金を払いたくなるようになる機会を、自分で潰してしまっているのかもしれない。
- 元記事
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Xで「ハッシュタグを使うのはやめて」とイーロン・マスク氏--「目立ちたがりを罰するアルゴリズム」示唆？
https://japan.cnet.com/article/35227409/
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